投資は大きく4つの対象に分けることができます。株、債券、金、不動産です。
投資を始めるにあたり、4つの投資対象がどのようなものであるか、説明したいと思います。
株式投資
投資の中心になるのは株です。この記事でも特に重要なので、ぜひ理解して欲しいと思います。
まず、株式会社の成り立ちについてお話したいと思います。
株式会社の成立
ある起業家が、新しいビジネスを思いつきました。そのビジネスには工場を建てる必要がありますが、起業家にはお金がありませんでした。
そこで起業家は、投資家からお金を集めることにしました。投資家から出資金を募り、代わりにいくら出資してくれたかを証明する証券を発行し、出資してくれた投資家に渡しました。このような株の証券を持っている人の事を株主と言います。
集めた出資金で起業家は工場を作り、ビジネスを始めました。このように株主から出資金を募って設立した会社を株式会社と言います。
株で儲かる仕組み
起業家が始めたビジネスは成功し、利益が出るようになりました。そこで、社長となった起業家は、出資金を出してくれた株主達に利益の一部を還元することにしました。このように、利益の一部を株主に還元するお金の事を配当金と言います。
株価はなぜ変わる?
配当金を出すようになった会社はどんどん成長し、配当金の金額も年々上がるようになりました。すると、配当金を毎年のように出す会社の株主になりたい、という人が多くなり、その会社の株の需要が上がります。
需要が上がると、株の価値(株価と言います)は上がっていきます。そこで初期に出資金を出して株券を所持している投資家は、株券を売ることにしました。
株券は出資金以上の額で売れたため、投資家は株により利益を得ることができました。
逆に、株式会社の売り上げが落ちて、配当金などが停止された場合はどうなるでしょうか。経営が思わしくないことから、もしかしたら倒産してしまうかも、と考える投資家が出てきます。倒産したら株券は紙くずとなり、何の価値もなくなってしまいます。先程とは逆に、経営が傾いた会社の株を欲しがる人は少なくなり、株価が下がります。
このように株には大きく分けると株を所持することにより受け取れる配当金で儲ける方法と、株を売買することで儲ける方法があります。
配当金による利益をインカムゲイン、売買による利益をキャピタルゲインと言います。
債券
債券投資は、一言で言うとお金を貸して利息で稼ぐ方法です。
債券には、国が発行する国債や、企業が発行する社債などがあります。今回は国債を例にとり説明します。
国は資金調達の方法として、一般の方や企業からお金を借ります。その時の借金の借用証書のことを債券と言い、国が発行したものなので国債と呼ばれます。
借金ですので、当然利息がつきます。満期まで保有すれば、元本+利息が返ってくるので元本割れしない商品となります。
しかし、債券の発行者が破綻などにより利息や元本が支払われないことがあります。これをデフォルト(債務不履行)と言います。企業の経営が破綻する、ということは想像がつくかもしれませんが、国が破綻すると言われてもピンとこないかもしれません。しかし、途上国を中心にデフォルトは起こっています。2009年からのギリシャ危機や、2020年に入ってからレバノンが財政破綻をしています。
デフォルトが起きると、利息の支払い停止や額面金額の払い戻しの停止などの措置が取られるので、損失を出す可能性がとても高いです。そのため、財務の破綻の可能性が低い投資先を選択する必要があります。
債券の発行先の財務状況を判断する一つの材料として、格付け会社による格付けがあります。債券の格付けはAAAからCの間で評価され、評価が高いほどデフォルトの可能性が低い、ということになります。
格付け評価が高い債券は、それだけ信頼できるということで人気があるため、利息は低い傾向にあります。逆に低評価の債券は、利息が高くなります。
日本の国債は、2020年現在ではA評価で、利息は年0.05%となっております。
債券も株と同じように途中で売ることができるんだ。
人気がないと価格が下がるから、場合によっては元本割れするんだよ。
社債を発行している会社が満期を迎える前に潰れそうだったら、元本が返ってこない可能性があるよね。
そういう時は社債を手放したい人が増えて価格が落ちるんだよ。
金
金による投資は、一般的に守りの投資とされています。「有事の金」と言われるように、経済危機時や戦争時など、株価が大きく下がる局面で上がる、という特徴があります。
金が投資に用いられる理由
金は、化学変化がとても起こりにくい安定した物質であり、採掘量も少ないので希少価値があることから値段がつけやすく、貨幣が存在する前から物々交換の材料として用いられてきました。
現在でも、絶対的な価値が認められ金の値段は世界基準の国際価格で決まっており、毎日変動しています。国際的に価格が決められている事で、金は投資先の一つとして確固たる地位を築いています。
金投資の特徴
金投資には、大きく二つの特徴があります。
一つは価値がゼロにはならないことです。金を地金や金貨などで所持しておけば、国際的に決められた価格があり、株価や債券のように倒産により価値が全くなくなる、と言うことがありません。
もう一つは、金は新たな価値を生み出さない、と言うことです。株の場合は会社の成長により、配当金が出たり、株価が上がることがあり、株自体が成長して行きます。債券には利息がつくので、元本に利息分の価値がプラスされますが、金はそれ自体の価値が上がったり下がったりするのみで、金自体が増えたりすることはありません。
金投資の方法
金投資には、二つの方法があります。
一つは、金地金(きんじがね)と言われる棒状になったものや、ウィーン金貨やメイプルリーフ金貨と呼ばれる金をコインに加工したもの等、現物の金を保有する方法です。現物を保有するので保管の場所が必要だったり、盗難のリスクがありますが、次に紹介するETFや投資信託とは違い、窓口での換金などが可能な事や、現物を保有する安心感などのメリットがあります。
もう一つが、金の価格と連動するETFや投資信託などを購入する方法です。これらは現物を保有せず、インターネットで注文し証券を保有する形となるため、保管の手間や盗難のリスクがなく、株と同じように証券会社で売買することが可能ですが、保有していると信託手数料がかかります。
下のグラフは金の価格に連動したETFである「金価格連動型上場投資信託(1328)」と日経平均株価の値動きを比較したものだよ
出典:TradingView
それ以外の期間は大きく動いているわけではないけど、それでも年間での最高値と最安値の差は10%近くあるんだ
金は市場の不安材料が増えると買われやすく、価格が上がる傾向にあるんだ
不動産
不動産投資は株と双璧をなす、投資の王道の一つです。
不動産投資とは
不動産投資は、基本的には住宅や店舗などの不動産を購入し、主に賃料を貰うことで利益を得る投資方法です。運用によっては他の投資では考えられないほどの利益をあげることができます。しかし、不動産の購入に多くの資金が必要なことや、不動産の管理や運営に手間がかかるため、手軽に始められる投資ではありません。
そこで、手軽に始められる不動産投資の方法としてREIT(リート)を紹介します。
REITとは
REIT(リート)は不動産投資信託証券と呼ばれる投資信託の一種です。
REITは投資者から集めた資金で不動産を購入し、不動産から得られる賃貸収入や、不動産の売却により得られる利益を配当金として支払う仕組みのことです。ファンド(REITを運営する業者の事です)が不動産を保有し、管理などを行うため、ほとんど手間がかかりません。
また、不動産特有のリスクとして賃貸物件に入居者がいない場合、賃貸収入が入らないことが挙げられます。個人投資ではあまり多くの物件を所有できないため、空室ができると死活問題となりますが、REITは多くの物件を所有しているため、多少の空室などがあっても安定した運用が可能となっています。
でも、不動産投資はそれだけで生活が出来るほどリターンも大きいから、管理・運営を行えて、物件の見極めができるなら現物の物件を買ったほうが効率はいいよ
大家さんってマンションの管理とか、家賃の管理とかするよね
ちゃんと管理しないと入居者がいなくなっちゃうから手間がかかるんだけど、収入は結構あって、専業の大家さんもいっぱいいるんだ
それくらい儲かる可能性があるから、不動産投資は投資の王道の一つと言われるんだ
興味があったら勉強してみてもいい分野だと思うよ
まとめ
代表的な4つの投資対象の基礎知識についてのお話をさせて頂きました。
資産運用を目的とした投資の基本は、分散投資です。一つの対象に絞る事なく、自分に見合ったバランスに分散した投資手法を考えることがとても大切です。初めは少額からで大丈夫なので、バランスを考えながら投資をしていきましょう。
初めは思いつきのバランスでもいいので、無理のない金額で各資産がどのような値動きをするか、経験してみてください